女性86.83歳で3年連続世界一 14年の日本人平均寿命

2014年の日本人の平均寿命は女性86.83歳、男性80.50歳で、ともに過去最高を更新したことが30日、厚生労働省の調査で分かった。女性は3年連続世界一、男性は前年の4位から3位になり、世界有数の長寿国であることを改めて示した。14年生まれの女性の半数近くは90歳の卒寿を迎えると試算した。
厚労省は「がんや心臓病、肺炎、脳卒中などによる死亡率が改善したことが要因」と分析。医療技術の進歩や健康志向の高まりに伴って「今後も平均寿命は延びる余地がある」(同省担当者)としている。
日本人の平均寿命は戦後、ほぼ一貫して延びており、女性は1984年に、男性は13年に初めて80歳を突破した。14年は13年と比べて、女性が0.22歳、男性は0.29歳延びた。男女差は6.33歳となり、03年の6.97歳をピークに緩やかに縮まってきている。
女 性 | 男 性 | ||||
1(1) | 日 本 | 86.83 | 1(1) | 香 港 | 81.17 |
2(2) | 香 港 | 86.75 | 2(2) | アイスランド※ | 80.8 |
3(3) | スペイン※ | 85.60 | 3(4) | 日 本 | 80.50 |
4(4) | フランス | 85.4 | 3(3) | ス イ ス※ | 80.5 |
5(6) | 韓 国※ | 85.1 | 3(5) | シンガポール | 80.5 |
主な国・地域と比べると、女性は香港の86.75歳をわずかに上回り、3年連続で長寿世界一となった。男性は香港の81.17歳、アイスランドの80.8歳(13年)に続き、スイス、シンガポールと並ぶ3位だった。
厚労省の試算では、14年生まれの子供で、75歳まで生きる人の割合は女性が87.3%で、男性は74.1%。90歳では女性48.3%、男性24.2%になるという。
14年生まれが将来、がん、心臓病、脳卒中のいずれかで死亡する確率は女性47.80%、男性52.20%。仮にこれらの病気で亡くなる人がいなくなれば、平均寿命が女性は6.02歳、男性は7.28歳延びると推定した。
厚労省は平均寿命とは別に、健康上の問題で日常生活が制限されない期間を示す「健康寿命」も算出している。13年は女性が74.21歳、男性が71.19歳だった。