土砂災害の常時監視必要 梅雨控え土木学会
熊本地震の被災地を調査した土木学会の広瀬典昭会長らは30日、熊本市内で記者会見した。阿蘇地方では河川沿いの斜面などが崩れ、梅雨に入ると土砂災害が起きる可能性があるといい、広瀬会長は「斜面や河川の常時監視などの緊急対応が必要だ」と訴えた。今後、政府や自治体などに助言する。
同学会は地震工学や地盤工学など7人の専門家で調査団を組織し、29日から調査にあたった。
阿蘇外輪山の西側斜面が16日未明の地震で大規模に崩壊した。学会によると、梅雨の大雨でさらに土砂が崩れて河川をせき止めると、水位が上がって決壊したときに土砂が一気に流れ出して甚大な被害を及ぼす可能性がある。
上流から流れ出した土砂が川底にたまり、洪水が起こりやすくなる危険もあり、九州大学の塚原健一教授は「下流の地域では、川底にたまる土砂にも注意を向ける必要がある」と指摘した。