外国人技能実習を拡充へ 最長5年、介護など追加
法務・厚生労働両省は30日、途上国から外国人を日本国内に受け入れて働きながら学んでもらう「外国人技能実習制度」の見直し案を発表した。1月時点で69ある対象職種を、介護などにも広げる。期間は現行の最長3年から5年に延ばす。外国人を低賃金で酷使する不正が多く批判を受けているため、実習生の保護、受け入れ団体や企業の監視など対策も強める。
外国人技能実習制度の見直しは新たな法律案としてまとめ、通常国会に提出する。成立すれば、2015年度中の施行を目指す。介護では16年度にも東南アジアなどから実習生を受け入れる。リゾート地での観光業のような、地域特性に応じた職種にも広げられるようにする。
技能実習の拡充は、批判がある問題点を是正しながら行う。最長5年への期間延長は、行方不明者がいないなど一定の要件を満たす受け入れ団体・企業に限って認める。実習生は家族と離ればなれで暮らしているため、4年目に入る前に受け入れ側の費用負担でいったん1カ月以上帰国させ、再来日を求める。4年目以降は別の実習先を選べるようにもして、実習生の権利保護を強化する。
賃金未払いや長時間労働、行動の自由を奪うといった不正を防ぐため、受け入れ団体や企業に対する許認可や指導を行う法人も15年度中に新設する。全国十数カ所に支部を置き、計300人前後で団体や企業を巡回監視できる体制を整える。不適切な団体などに対する罰則も導入する。