2019年5月26日(日)

五輪2会場、ほぼ当初案 バレーは小池氏譲らず

2016/11/30 1:18
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2020年東京五輪・パラリンピックの3競技会場の見直しを議論した29日の4者のトップ級協議で、ボート・カヌー(スプリント)と水泳の会場は、当初案通り新設されることが最終的に決まった。競技団体の反発が強く、代替案の実現性も乏しいため、小池百合子知事も会場変更を断念した。ただ、バレー会場の結論は12月のクリスマス時期まで持ち越された。

「まず都としての考え方を申し述べる」。協議の冒頭で、小池知事はボート・カヌー会場の「海の森水上競技場」(東京臨海部)の代替案として示した「長沼ボート場」(宮城県登米市)での開催を取り下げる考えを明らかにした。

見直し対象の3会場のうち、小池知事が最も重視したのは、整備費の試算が招致段階の69億円から491億円まで膨らんだ海の森だった。

小池知事の肝煎りで発足した都の五輪調査チームは9月末、長沼案を提案。小池知事も10月15日に現地視察まで行い「復興五輪のメッセージになる」と強調した。

地元の期待は高まる一方、競技団体や大会組織委員会は猛反発した。流れが一変したのは、10月18日に行われた小池知事と国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長との会談だった。

会長は「開催都市として選ばれた後にルールを変えないことが利益にかなう」と会場の大幅見直しをけん制した。その後、長沼案は整備やアクセスに問題があり、海の森の建設中止で工事補償費など約100億円がかかることが判明し、小池知事も断念した。

水泳会場の「五輪水泳センター」も同じ。都の調査チームは近隣の既存施設の活用案を検討したが、改修工事が間に合わない可能性があり、当初案通り新設が決まった。

ただ、小池知事の見直し指示により、2会場の整備費は当初案よりも計約360億円削減される効果はあった。

残るバレー会場は「有明アリーナ」(江東区)の新設案と「横浜アリーナ」(横浜市)の活用案で調整が難航した。

「クリスマスまでに最終結論を出したい」「それまで何をやるのか」。協議では結論先送りを求める小池知事と、有明案を支持する大会組織委員会の森喜朗会長が激しく議論。最後はIOCのコーツ副会長が「有明と横浜を比較する必要がある」と引き取った。

ただ、会場見直しの成果を求めたい小池知事がこだわる横浜案には多くのハードルが待ち構える。IOCのデュビ五輪統括部長も「市や周辺地権者の了解を取り付ける必要性があり、立候補時にやるべき作業を数週間でやるのは非常にレベルの高い目標」と指摘した。

ある都幹部は「IOCから事実上無理と言われているに等しい。先送りが知事にとってプラスになるかどうかは分からない」と話している。

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