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「緑のオーナー」元本割れ 二審も国に賠償命令 大阪高裁判決

国有林を育成しながら資産形成もできるとした林野庁の「緑のオーナー制度」に出資し、元本割れで損害を被ったとして全国の出資者ら約240人が国に計約2億7千万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁(水上敏裁判長)は29日、一審・大阪地裁判決に続き国の責任を一部認め、約80人に対して計約9900万円を支払うよう命じた。

判決理由で水上裁判長は、2014年10月の一審判決と同様、1993年6月30日以前の契約では、国が勧誘時に示したパンフレットに元本割れリスクに関する記載がなかったと認定。その後の追加契約分も含めて国の説明義務違反を認めた。

一審判決は賠償額について、出資者側にも過失があったとして損害から3~5割を差し引いた金額の支払いを命じたが、高裁判決は93年6月30日以前の契約では出資者側に過失はなかったとして賠償額を増額した。

一方、提訴時点で契約から20年以上たっていた出資者らについては一審と同様、損害賠償の請求権が消える「除斥期間」の経過などにより賠償責任を認めなかった。93年7月1日以降に新規契約した出資者への国の説明義務違反はないとした。

林野庁によると、緑のオーナー制度では84~99年に4600カ所の森林について延べ約8万6千人が出資契約を結んだが、14年度末までに売れた森林1513カ所のうち、元本割れしなかったのは81カ所にとどまる。

森山裕農相の話 国の主張が一部認められず厳しい結果だが、判決内容を慎重に検討し、適切に対応したい。

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