2019年1月22日(火)

自衛隊機の夜間早朝飛行、二審も差し止め 厚木騒音訴訟

2015/7/30付
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米軍と海上自衛隊が共同使用する厚木基地(神奈川県大和市、綾瀬市)の騒音被害を巡り、周辺住民ら約6900人が、国に米軍機と自衛隊機の飛行差し止めや損害賠償などを求めた第4次厚木基地騒音訴訟の控訴審判決が30日、東京高裁であった。斎藤隆裁判長は一審に続き、「騒音被害は相当深刻」として自衛隊機の夜間早朝(午後10時~翌午前6時)の飛行差し止めを命じた。期間は2016年末までとした。

勝訴の垂れ幕を掲げる厚木基地騒音訴訟の原告側弁護士(30日午前、東京・霞が関)=写真 上間孝司

勝訴の垂れ幕を掲げる厚木基地騒音訴訟の原告側弁護士(30日午前、東京・霞が関)=写真 上間孝司

同時期までの将来分の騒音被害に対する賠償も初めて認め、国に基地騒音訴訟で過去最高となる総額約94億円の支払いを命じた。米軍機の飛行差し止め請求は一審と同様に退けた。

高裁が自衛隊機の差し止めを認めたのも初めてで、係争中の他の訴訟に影響する可能性がある。一方、中谷元・防衛相は30日、国会内で記者団に「判決は受け入れがたい。上告を検討する」と述べた。

斎藤裁判長は判決理由で、航空機の騒音の程度を表す「うるささ指数」が75以上の地域の住民について「睡眠妨害は相当深刻で賠償金の支払いで回復できない」と指摘。防衛相がやむをえないとする場合を除き、自衛隊機の夜間早朝の飛行差し止めを認めた。

現代社会では静かな生活環境に関する「人格的利益」の評価が高まっていると指摘した上で「今後も同程度の騒音継続が見込まれる」と判断。一審と同じ基準で認めた過去分などに加え、将来分の賠償金約12億円を支払うよう国に命じた。

ただ、騒音の大半を占める米軍空母艦載機が17年ごろに岩国基地(山口県)に移転する計画で「移転後は騒音状況に変化が見込まれる」として、自衛隊機の飛行差し止めと将来分の損害賠償の期間は16年末までとした。

米軍機については「基地の使用許可という存在しない行政処分の差し止めを求めるもので、不適法」として却下した。

一審・横浜地裁判決は、国に自衛隊機の夜間早朝の飛行差し止めと約70億円の賠償を命じ、米軍機の飛行差し止め請求は却下した。

▼厚木基地 神奈川県大和市と綾瀬市に大部分の施設があり、長さ約2400メートルの滑走路を持つ。周辺は住宅密集地。旧日本軍の基地として整備され、1945年の終戦直後、連合国軍最高司令官マッカーサー元帥が降り立ったことで知られる。米軍に接収されていたが、71年から米海軍と海上自衛隊が共同使用を開始。米海軍横須賀基地に配備されている空母の艦載機が離着陸訓練を実施している。日米両政府は2017年ごろまでに艦載機を山口県の岩国基地に移駐させる予定。〔共同〕

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