2019年8月25日(日)

傘下組員の犯罪、トップに賠償責任認定 暴対法で初 地裁判決

2016/9/29 12:53
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暴力団極東会系の組員に現金を脅し取られたなどとして、聴覚障害者の男女27人が同会事実上トップの曺圭化元会長(88)や組員ら3人に計約2億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が29日、東京地裁であった。山田真紀裁判長は曺元会長の「使用者責任」を認め、3人に計約1億9700万円を支払うよう命じた。

原告側弁護団によると、2008年施行の改正暴力団対策法の規定を適用し、暴力団トップの使用者責任を認めた判決は初めて。

山田裁判長は判決理由で「組員は暴力団であることを被害者に示して現金を脅し取っており、暴力団の威力を利用した資金獲得行為にあたる」と指摘。曺元会長について「暴対法に基づく使用者責任が認められる」と判断した。

判決後に記者会見した弁護団の斎藤理英弁護士は「暴力団の資金獲得の抑止につながる判決だ。トップの賠償責任が認められたことで被害回復も期待できる」と話した。

訴状などによると、聴覚障害者の極東会系の組員は08年5月~10年4月、知人に紹介された聴覚障害者の男女らを手話で「殺す」と脅して金を要求したり、架空のテレビ電話事業への投資などを持ちかけたりした。刃物を向けられて約1千万円を渡した男性もいた。

使用者責任は、従業員が業務を通じて第三者に損害を与えた場合、雇い主が賠償責任を負うとする民法の規定。暴力団トップの使用者責任を巡っては、下部組織の組員が警察官を誤射した事件で、最高裁が04年11月、民法の規定に基づき認めた例などがある。

ただ、民事訴訟で暴力団の指揮命令や上納金制度などを立証するハードルが高い。このため08年の暴対法改正で「暴力団の威力を利用して危害を加えたり財産を奪ったりした」ことを明らかにすれば、トップの責任を問えるようになった。

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