2018年11月20日(火)

ネパール大地震、80時間ぶり男性救出 死者は5100人超
救助現場は混乱も

2015/4/29付
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【ニューデリー=黒沼勇史】25日に起きたネパール大地震で、近隣国を含めた死者数は29日に5100人を超えた。首都カトマンズでは28日夜、約80時間ぶりに男性が救出されたが、日本を含む各国の救助隊にとっても生存者の救出は厳しい時間との闘いになっている。一方、「外国の救助隊はこれ以上必要ない」とのネパール当局者の発言が伝わるなど、現場では混乱も生じている。

ネパール警察は29日午後、地震による同国での死者は5026人、負傷者は1万227人に達したと発表した。隣国インドでは75人、中国では25人、バングラデシュでは4人が死亡している。

カトマンズでは生存率が急低下するとされる72時間が過ぎた28日夜、倒壊した集合住宅から男性が救出された。ロイター通信によると、室内には3人の遺体があり、救護した医師は、生還は「彼の強い意志によるもの」と話しているという。

AP通信などによると、救出されたのはリシ・カナルさん(27)で、「このまま死ぬと思った。感謝している」と話した。周囲の遺体が腐臭を発する中、自らの小便を飲んで水分を補給、居場所を知らせようと、がれきを蹴ったという。

日本の国際緊急援助隊は28日に救助チーム70人と医療チーム46人が到着し、カトマンズで捜索活動を始めるなどした。29日には自衛隊の先遣隊20人も現地入りする予定。

ただ、ネパール政府が外国の救助隊の受け入れに難色を示し始めたとも伝わる。ネパール当局者は28日、各国支援組織に対し「既に(ネパールの)上空や地上に到着済みなら支援してほしいが、自国からの離陸前なら来ないでほしい」と語ったという。ロイター通信が国連開発計画(UNDP)の現地事務所幹部の話として報じた。

救助現場では情報が錯綜(さくそう)し、混乱も生じている。生存者情報を基に国外の救助チームが現場に急行したところ、誤情報と判明したケースもある。「(ネパール当局は)活動拠点の設置を許可してくれただけで、あとは何一つしてもらっていない」(オランダの支援隊)との不満も報じられている。

現地紙カトマンズ・ポスト(電子版)は29日付の社説で「ネパール政府が現場でどう動いているのかに関する情報を効率的に共有できていない」として政府の対応の悪さを批判。改善できなければ「世界の良心は無駄になる」と結んだ。

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