2019年5月25日(土)

大阪「太陽の塔」内部公開 「熱気、当時のまま」

2016/10/29 12:12 (2016/10/29 13:35更新)
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熱気、1970年当時のまま――。大阪府は29日、大阪万博のシンボルで岡本太郎の代表作「太陽の塔」(吹田市)の内部を一般公開した。抽選倍率約60倍の「狭き門」をくぐり抜けた人々は、公開時刻前から塔の建つ万博記念公園に参集。生物の進化を表現した塔内展示「生命の樹」を見上げ、時代の移り変わりや自らの半生など様々な思いを重ね合わせた。

「生命の樹」が伸びる塔内部を見学する関係者(29日午前、大阪府吹田市)

「生命の樹」が伸びる塔内部を見学する関係者(29日午前、大阪府吹田市)

「すごい! あれは何?」。太陽の塔の扉が開くと参加者から歓声が上がった。「生命の樹」の当時の記録映像も流され、参加者は実物と照らし合わせながらカメラやスマートフォンを構えた。

公園内の日本庭園でガイドボランティアをする龍神輝久子さん(72)は、70年の万博に数回足を運んだが、太陽の塔は「なんじゃこりゃ」との第一印象。見慣れた今は地元の象徴と考えている。

内部に展示物があるとは知らなかったという龍神さん。生命の樹を目の当たりにし「こんなに異様なものがなぜ人を引きつけるのか。改めて『なんじゃこりゃ』という気持ちになった」とあぜんと樹を見つめていた。

この日は、内部を見たさに公開前から人々が訪れた。「子供の頃の記憶は混雑だけ。今回は目に焼き付けたい」。和歌山市の会社員、望月一男さん(54)は午後の見学グループにもかかわらず、午前9時に来園した。

「万博会場が夫とのデートスポット」というのは東京都江戸川区から娘と孫と訪れた吉田喜代さん(64)。「今日が待ち遠しかった」といい、「当時は日本全体が高揚感に包まれ全てが上向きだった。今の時代の空気とは全然違う」と振り返った。

太陽の塔は万博当時、お祭り広場の大屋根を突き破る形で建っていた。万博のテーマ「人類の進歩と調和」を岡本太郎流に表現した。内部にある「生命の樹」は生物の進化を表し三葉虫や恐竜など、292体の模型で飾られていた。今は約30体が残る。

内部公開は当初、29日だけの予定だったが、500人の定員に約8万人が応募。追加で30日にも800人に公開することにした。

塔は耐震化や内部の復元のための工事が今月末から始まる。

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