東京五輪総費用3兆円超す恐れ 都調査チーム、組織見直し提言

2016/9/29 11:36
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 東京五輪・パラリンピックの推進体制や費用をチェックする東京都の「都政改革本部」(本部長・小池百合子知事)の調査チームは29日、大会の総費用が3兆円超となる可能性があると明らかにした。立候補時点で約7300億円だった。費用増の背景には「ガバナンス(組織体制)に問題がある」として、都や組織委を統括するトップの新設を提言。コスト削減のため、都が整備する3施設の抜本的見直しも求めた。

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 同日午前に開かれた都政改革本部の冒頭で小池知事は「短期間に極めて客観的、科学的に分析してもらった。東京大会に向けたベースになる物で、この報告を受けて総合的に判断を進めていきたい」と述べた。ただ現在の計画は国際オリンピック委員会(IOC)の承認を得ており、大きな見直しは困難が予想される。

 調査チームによると、現時点で都が担当する競技施設や新国立競技場など、ハードで7600億円程度と積算。これに2012年のロンドン大会を基にコストを試算し、輸送費として1千億~2千億円、警備費として2千億~3千億円などと見積もった。

 暑さ対策の必要性やテロ対策の強化など東京大会の特有の上乗せ部分も積み上げた上で、ガバナンスがなく予算管理が甘く、過剰な設備のままの発注が続いた場合の開催総費用を「3兆円を超える可能性がある」と指摘した。

 五輪の推進体制の現状について「あたかも社長と財務部長がいない会社と同じ」と指摘。都や組織委でそれぞれ責任者がいるが、全体を統括するリーダーや、予算管理者がいないことを問題視し、日本オリンピック委員会(JOC)を含め五輪に関わる組織全体のガバナンスを見直すことを求めた。

 都が整備を担当する競技施設で、ボート・カヌー会場の「海の森水上競技場」、バレーボール会場の「有明アリーナ」、水泳会場の「オリンピックアクアティクスセンター」について、過剰な座席数や、大会後の活用計画の甘さに言及。整備計画の見直しを訴えた。

 特に海の森水上競技場については、代替地候補として宮城県登米市の長沼ボート場を挙げ、「移設の可能性を探るべきだ」と明記。現在の場所で建設する場合でも、大会後も存続する「恒設」とせず、大会後に取り壊す「仮設」とするよう求めた。他の2施設についても既存施設への振り替えが可能か検討を促した。

 組織委員会の担当とされてきた仮設施設の整備は、当初は約720億円とみられてきた費用が約2800億円まで増大したことから、組織委が担うことは「非現実的」と指摘。都内の仮設施設は都が担当することを提案した。

 12年のロンドン五輪でも全体の経費が当初より増え約2兆1千億円に達した。

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