ミドリガメの輸入規制 5年後めど、生態系に悪影響
「ミドリガメ」の名で知られる外来種ミシシッピアカミミガメが日本固有の生態系に悪影響を及ぼしているとして、環境省は5年後をめどに輸入を規制する方針を固めた。近年は年10万匹程度が輸入され、祭りの露店やペットショップで人気だが、将来的には店から姿を消しそうだ。
環境省によると、アカミミガメは1950年代後半に米国からの輸入が始まった。2013年時点では全国の110万世帯で推計180万匹が飼育されている。
ピーク時の90年代半ばには年間100万匹が輸入されたが、飼えずに捨てられたり、逃げ出したりして野生で繁殖した。日本固有のニホンイシガメの餌やすみかを奪うなど悪影響を及ぼし、13年に自然保護団体が実施した全国調査では、見つかったカメの約6割がアカミミガメだった。
徳島県では特産品のレンコンの新芽が食べられて11年に1500万円の被害が出るなど、水草や農作物への食害も問題になっている。
環境省は外来生物法に基づき、飼育や販売が原則禁止される「特定外来生物」への指定を検討しているが、飼育が許可制になると、ペットのカメが大量に捨てられるとの懸念があり、進んでこなかった。
環境省は輸入規制を始める前に、生息状況や効果的な駆除法を調べるため、16年度予算の概算要求に関連費用を盛り込む。〔共同〕