特別養子縁組、不成立186件 「候補者不在」多く 14~15年度
生みの親が育てられない子供を別の家庭が養育する「特別養子縁組」について、2014~15年度に不成立だった事案が186件あったことが29日までに、厚生労働省の調査で分かった。不成立は縁組が検討されたケースの2割強に上り、養親候補者が見つからず断念したケースが多かった。同省は不成立だった事例を詳しく分析し、今年度中にも制度の利用促進策をまとめる。
調査は全国の児童相談所と民間のあっせん団体が対象。14~15年度の特別養子縁組の検討案件について、11月8日までに回答があった135相談所と14団体の結果をまとめた。回収率は約65%。
厚労省によると、全検討案件829件のうち、縁組が成立した事案は643件。成立時の子供の年齢は0歳児の257件(40.0%)が最も多かった。不成立は186件で、こちらも0歳児の127件(68.3%)が最多だった。
成立に至らなかった理由は、子供の障害や年齢などにより「養親候補者が不存在だった」(23.7%)が最も多かった。養親候補者は見つかったが実親の同意が得られないなど「試験養育に至らなかった」(22.0%)が僅差で続いた。
厚労省は虐待を受けた子供の一時保護に司法が関与する仕組みについて検討会を設けて話し合っている。特別養子縁組の利用を広げる手立ても合わせて検討中で、実態把握のため調査した。