無人船で海洋の常時観測開始 データ、HPで公開

2016/10/31 9:49
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海上保安庁は、日本海や東シナ海に浮かべた全長約3メートルの無人船8隻を使い、水温や波高、風速の常時観測を始めた。従来は船で現地に行った職員が観測する必要があり、船の安全確保のために重要なデータを継続的に集めるのは難しかった。無人船の導入で、コストや環境への負担をかけずに、24時間のデータ収集が可能になった。

西日本の4つの海上保安本部に2隻ずつ配備した。海域は限られるが、リアルタイムデータのホームページ公開も進めており、担当者は「漁やレジャー、船の航行に役立ててほしい」と話している。将来は全国に広げる方針。

無人船は「自律型海洋観測装置(AOV)」と呼ばれ、太陽光パネル付きの海上に浮かぶ「フロート」(全長約3メートル)と、海中の「グライダー」(同約2メートル)の2つの部位に分かれ、ケーブルでつながっている。波が上下するたびに、グライダーに付いた羽根の間を水が通り抜けることで推進力が生じる。平均時速は約2.4キロ。米国製で1隻約4千万円。

太陽光蓄電システムによる電力を使い、搭載された波浪計や気象計などのセンサーで観測。データは人工衛星を介して海保に送られる。

グライダーにはモーターとスクリューもあり、遠隔操作による進路指示や危険回避が可能。漁船などのレーダーに映るほか、フロートに立てた約1メートルの棒の先に発光ダイオード(LED)標識灯を付けるなど周囲から判別しやすくした。

観測網が比較的手薄だった海域を担当する管区に配備され、隠岐諸島沖、五島列島沖、奄美大島沖、波照間島沖の4カ所で観測する。漁業やレジャーで利用されることが多い沿岸部で、5~10キロ四方のエリア内を「8」を描くように移動させて観測している。〔共同〕

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