IBM解雇「無効」、5人の賃金支払い命令 東京地裁判決
本人の業績が悪いことを理由に突然解雇したのは不当だとして、日本IBMで働いていた4都県の43~59歳の男女5人が雇用継続などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は28日、「解雇は権利の乱用で無効だ」として5人全員の雇用継続と解雇後の賃金支払いを命じた。
吉田徹裁判長は、原告らの業績が解雇するほど悪くはなかったとし、適性に合った職種に変えたり職位を降格したりして改善の機会を与えるべきだったと指摘。「解雇には合理的理由がない」と述べた。
判決によると、5人は正社員で2012年7月~13年6月、1~2週間後の解雇を通告され、出社を禁じられた。その際自主退職すれば退職金を増やすと提案されたが拒否し、解雇された。
原告は、解雇予告とともに出社を禁じる「ロックアウト解雇」と呼ばれる手法が違法として損害賠償も求めたが、判決は「会社と対立し機密情報を漏らす恐れがあり、違法性はない」と退けた。
判決後に記者会見した原告の男性(59)は「解雇手法はあまりに強引。他の会社に広がる前に止められて良かった」と話した。日本IBMは「主張が認められず遺憾だ。判決内容を精査して対応を検討する」とのコメントを出した。
原告弁護団によると、同様に日本IBMを解雇された別の6人も、雇用継続を求めて東京地裁で係争中。〔共同〕