2017年11月19日(日)

「23区私大の定員増認めず」正式に告示 文科省

2017/9/29 8:30
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 文部科学省は29日、東京23区内の私立大学と短大の定員増加を、一部の例外を除いて認めないことを正式に告示した。大学・短大の新設も認めない。若者の東京一極集中に歯止めをかけ、地方創生につなげることが狙い。同省が行ったパブリックコメント(意見公募)には「学問の自由に反する」など否定的な声が多く寄せられる一方、「学生の質の確保につながる」と肯定的な意見もあり、今後も議論を呼びそうだ。

 告示は23区内での2018年度の定員増と、19年度の大学設置を認可しないとした。文科省は告示は臨時の措置だとして、20年度以降については法律で定員増を禁止する方向で準備を進める。

 例外となるのは校舎など施設整備の予定があり、今年6月末までに文科省への申請を決めていた場合や、専門学校が実践的な職業教育を担う「専門職業大学」に転換するケースなど。キャンパスの移転は今回の告示の対象ではなく、23区外から区内への移転も進められる。

 告示は、政府が6月に閣議決定した「まち・ひと・しごと創生基本方針2017」を踏まえた。方針は「学生の過度の東京集中により地方大学の経営悪化や、東京圏周縁で大学が撤退した地域の衰退が懸念される」などとして、23区内の定員増の原則禁止を打ち出した。

 学生の東京集中が進んできたことは事実だ。23区内で学ぶ学部生は46万人(17年度)と、この10年で18%増。全国の学生の2割近くを23区内で占める。半面、地方では定員割れが常態化している小規模大学が少なくない。東京への若者の流入を抑えることで地方大がある程度、学生を確保しやすくなる可能性はある。文科省も「地方大活性化の手段の一つとして意味がある」(高等教育企画課)とみる。

 一方で、大学経営の制約となる今回の告示案には反発も出ていた。日本私立大学連盟は「短期間の一時的措置とすることを求める」とする声明を出した。小池百合子都知事も、東京一極集中の問題と学生数の抑制に「関連性が見いだせない」として、見直しを求めた。

 パブコメには12日までに286件の意見が寄せられた。同省によると、「学問の自由に反する」「東京で学びたい若者の希望を制限する」など否定的な意見が多かったという。就職時に多くの若者が東京に流入することを挙げ、「地方に仕事がないと若者は地方に残れない。産業振興が先決」とする意見もあった。賛成意見は「大学や学生の質保証にもつながる」などを理由に挙げた。

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