妊娠中、希望者は地上勤務 日航マタハラ訴訟が和解
妊娠した日本航空の客室乗務員の女性(42)が、地上勤務の希望に反して休職させられたのは男女雇用機会均等法に違反する「マタニティーハラスメント」だとして、休職の無効確認を求めた訴訟は28日、東京地裁(佐々木宗啓裁判長)で和解が成立した。希望すれば原則全員が出産前に地上勤務に就けることが和解条項に盛り込まれた。
日航では、妊娠が確認されると乗務ができなくなる。1980年から本人が希望すれば体への負担が少ない地上勤務を選べるようになったが、2008年、業績悪化を受けて「会社が認めた場合」との条件がついた。
訴状によると、女性は14年8月に妊娠を会社に報告。地上勤務を希望したが、会社は「地上職のポストがない」として休職を命じ、無給になった。
女性側によると、妊娠して休職する日航の客室乗務員は年間約200~300人いる一方、会社が認めて地上勤務できるのは年9人に限られていた。女性が15年に提訴した後、希望者全員が地上勤務に就ける運用になっているという。
原告の女性は和解成立について「航空他社や日本全体からマタハラが無くなってほしい」とコメントした。日本航空広報部は「先進的な制度が和解で確認された。今後も率先して充実させたい」とのコメントを出した。