真珠湾 平和の海に 元日本兵「反省忘れずに」

2016/12/28 13:44
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悲劇の地を平和と和解の礎に――。日本時間28日朝、日米両国のトップが太平洋戦争の戦端が開かれた真珠湾に立ち、不戦を誓った。2400人の犠牲者を出した旧日本軍の攻撃から75年。現地では生存者らが鎮魂の祈りをささげ、日本国内では戦争で家族や友人を失った人が癒えることのない悲しみを胸に「永遠の平和」を願った。

【ホノルル=山口啓一】穏やかな真珠湾の岸壁で、安倍晋三首相は真珠湾攻撃を生き延びた元米兵らと握手を交わした。27日午前(日本時間28日午前)、日米首脳の演説を終えるとまっすぐに車いすの元米兵の男性らのもとへ。しゃがみ込み話に耳を傾け、何度もうなずいた。

「戦争の惨禍は、二度と繰り返してはならない」。安倍首相は演説で不戦の誓いを貫くと強調。戦後の日米の絆を語ったオバマ大統領の演説を聴き終えると拍手した。

これに先立ち、両首脳は旧日本軍の攻撃で沈没した戦艦アリゾナの上に建てられた追悼施設「アリゾナ記念館」を船で訪れた。大理石の壁に犠牲となった戦艦の乗組員1177人の名前が刻まれた部屋に移動。置かれていた花輪に手を触れた後、約40秒間黙とうをささげた。その後、2人は船体が沈む海面に花びらを投げ入れ、再び目を閉じた。

国内の戦争経験者も歴史的な慰霊を見守った。

「一つの戦後の終わりを感じた」。15歳の時に空襲を経験した横浜市の関戸幸代さん(86)は演説をテレビで見守り涙を浮かべた。戦中、2歳だった妹を栄養失調で亡くした。「戦争で亡くなった多くの人たちが礎となって今の日本がある。生きている限り平和の大切さを伝えたい」と思いを新たにした。

戦艦「霧島」に艦長付き航海士として乗り組み、真珠湾攻撃に参加した滋賀県湖南市の後宮俊夫さん(94)は「憎み合っていては戦争は終わらない。少し前進した」と受け止めた。

ただ安倍首相が謝罪はせず、「和解」と日米同盟を強調した姿勢に不安も感じた。「これで終止符を打つというように聞こえた」。戦友をはじめ、日米の多くの兵士が命をささげた。「反省をいつまでも忘れてはならない」とかみしめる。

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