2019年7月18日(木)

鉄板落下、ワイヤ接触が原因か 東京タワーのエレベーター事故

2014/10/28付
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東京タワー(東京都港区)で昨年9月、部材の鉄板が落下してエレベーターの窓ガラスが割れ、男児(当時6)が軽傷を負った事故で、鉄板が外れたのはエレベーターをつるすワイヤと繰り返し接触したのが原因とみられることが28日、分かった。国土交通省の社会資本整備審議会が公表した調査報告書で明らかになった。

報告書は45年以上交換していない部品があるなど、老朽化が事故の一因となったと指摘。国交省の担当者は「落下した鉄板がエレベーターの乗客や地上の通行人に当たって死者が出かねない事態だった」としている。

事故は昨年9月17日に発生。東京タワーの特別展望台(地上250メートル)の上にある機械室からU字型の鉄板(重さ3.5キロ)が約20メートル落下してエレベーターのかごにぶつかり、割れた窓ガラスで中にいた男児が手の甲に切り傷を負った。エレベーターは緊急停止して乗客ら12人が約2時間閉じ込められた。

報告書によると、落下したのは機械室にワイヤを通す穴の隙間をふさぐ鉄板。6本の鉄製ワイヤ(直径16ミリ)のうち1本が摩耗で損傷し、切れてほつれた鉄線が鉄板に引っかかるように繰り返し接触していたとみられる。事故後、このワイヤは破断しているのが見つかった。

機械室にはワイヤを巻き上げるための3つの滑車が設置されていたが、土台となる梁(はり)と床の溶接が不十分で、浮き上がって一部の滑車が傾いていた。この傾きによってワイヤに過度の負荷がかかるなどして損傷したとみられる。

滑車のうち2つは特別展望台がオープンした1967年に作業用から人荷用に改造して以来、一度も交換されていなかった。建築基準法上の点検対象にはなっておらず、床板の下に設置されていて目視による点検もできなかったという。

審議会は、滑車や窓ガラスの定期検査が不十分だったとして、国交省に点検強化などを求める意見を付けた。

エレベーターの保守点検をしている三菱電機ビルテクノサービス(東京都荒川区)は事故後、梁を固定する部材を追加したほか、窓ガラスの強度を約4.5倍にするなどの対策をとった。エレベーターは事故の3カ月後に運転再開している。

東京タワーを運営する日本電波塔(東京都港区)は「調査報告書の指摘を真摯に受け止め、再発防止に努めたい」とコメントした。

▼東京タワー 在京テレビやラジオ放送の総合電波塔として1958年に完成した。地上波テレビ放送の電波は2013年、東京スカイツリー(東京都墨田区)からの送信に切り替わったが、災害時などには予備電波塔として利用される。

通天閣(大阪市)などを手掛けた建築家、故内藤多仲氏が設計。高さは333メートルで、戦後の復興と高度経済成長の象徴として親しまれてきた。

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