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北アルプスに新たな氷河か 長野の鹿島槍ケ岳

長野県大町市の北アルプス鹿島槍ケ岳(2889メートル)に氷河が存在する可能性が高いとして専門家が9月にも現地を本格調査する。氷河と確認されれば、国内では富山県の北アルプス・立山連峰に続いて4カ所目。研究者や財政面で支援する地元関係者の間で期待が高まっている。

調査に当たるのは、市立大町山岳博物館や富山県立山カルデラ砂防博物館の職員ら約10人。副団長を務める砂防博物館の飯田肇学芸課長は「氷の中に千年以上前の空気が閉じ込められているかもしれない。氷河は『大気の記憶装置』だ」と話す。この空気中の微粒子を調べれば環境変動を探る手がかりになるという。

飯田課長らによると、氷河は大量の降雪が長い年月をかけて圧縮された氷の塊(氷体)で、山地では斜面を重力で動いているものと定義される。国内の氷河は2012年に立山連峰の雪渓3カ所で初確認。降雪や雪崩で毎冬20メートル規模の雪がたまり、形成されたとみられる。

今回調査するのは立山連峰の東に位置する鹿島槍ケ岳のカクネ里雪渓。標高1800~2150メートルの間に長さ700メートル、幅250メートル、厚さ40メートルの氷体があるとされる。

氷体を氷河とみなすには全地球測位システム(GPS)を氷に取り付け、斜面を動いていることを確かめる必要がある。しかし、現地は登山道から大きく外れており、重い観測機器などを運んでたどり着くのは難しい。これまでは上空から観測するか、残雪を伝っていける初夏に現地入りし、氷体を覆う分厚い雪の上から可能な調査をするしかなかった。

観測機器の小型化が進んだほか、地元の大町市が荷物を運ぶヘリコプターの利用料など376万円の支出を決め、残雪が少ない時期にのみ可能なGPSによる調査が今回初めて実現することになった。市は「氷河と分かれば山への関心が高まり、観光客の増加にもつながる」と期待する。

飯田課長は「カクネ里雪渓は何十年も前から氷河ではないかといわれてきた。先輩研究者の思いを結実させたい」と意気込んでいる。〔共同〕

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