2018年7月21日(土)

少年法進む厳罰化、「逆効果」指摘も 佐世保同級生殺害事件

2014/7/28付
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 罪を犯した20歳未満の少年の刑事処分や家庭裁判所の審判手続きを定めた少年法は、注目を集める事件が起きるたびに厳罰化されてきた。被害者遺族らの要望を反映した法改正だが、専門家からは「社会復帰が遅れ、再犯防止には逆効果」と懸念する声も出ている。

 厳罰化の最初の大きなきっかけは、1997年に神戸市で起きた連続児童殺傷事件だった。当時14歳で中学生の少年が逮捕されたのをきっかけに2001年、改正少年法が施行。刑罰の対象年齢が16歳以上から14歳以上に引き下げられた。

 この改正には、被害者を死亡させた16歳以上の少年は原則として検察官送致(逆送)とする規定も盛り込まれた。検察官送致が決まれば、その少年は通常の刑事裁判を受けることになる。

 長崎市の男児誘拐殺人事件(03年)では12歳の少年が、長崎県佐世保市の同級生殺害事件(04年)では11歳の少女がそれぞれ補導された。「加害者の低年齢化」を指摘する声が上がり、少年院送致できる年齢の下限が07年、14歳から小学生を含む「おおむね12歳」に引き下げられた。

 今年4月には、罪を犯した18歳未満の少年に言い渡す有期刑(懲役・禁錮)の上限を15年から20年に引き上げる改正少年法が成立。きっかけになったのは、09年に起きた大阪府富田林市の男子高校生殺害事件だった。

 大阪地裁堺支部は11年2月、裁判員裁判の判決で殺人罪に問われた少年に懲役5年以上、10年以下という幅をもたせた不定期刑を言い渡した。裁判長は「これを機に適切な改正が望まれる」と異例の言及をしていた。

 進む厳罰化に弁護士や少年法の学者は「更生を重視する法の趣旨に反する。社会復帰が遅れると、社会に出てまた罪を犯すという悪循環に陥る」などと反対している。〔共同〕

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