小中の教員、在校11時間超 副校長・教頭はさらに長く
全国の公立小中学校の教諭の1日平均在校時間は、小学校で11時間35分、中学校で12時間6分に上ることが27日、文部科学省の調査で分かった。管理職に当たる副校長・教頭はさらに在校時間が長く、多岐にわたる業務を抱えている実態も明らかになった。文科省は業務改善に向けたガイドラインを全国の教育委員会に通知した。
調査は2014年11月、全国の公立小中学校451校の「校長」や「副校長・教頭」、「教諭」、「事務職員」など11職種の計9848人に聞いた。
副校長・教頭の平均在校時間は小学校が12時間50分、中学校が12時間53分で、小中学校とも校長や教諭より1時間前後長くなっていた。
報告書の作成や授業の準備、試験の採点など、自宅に持ち帰る仕事の時間は、小学校の副校長・教頭で1時間52分、中学校で1時間32分。教諭は小学校1時間36分、中学校1時間44分だった。
成績評価や部活動など「児童生徒の指導に関する業務」と、会議や地域連携など「学校の運営に関する業務」の計71項目の業務のうち、小中学校の副校長・教頭の半数以上が「従事している」と答えた業務は45項目に上った。教諭の場合は32項目だった。
負担に感じている業務としては、副校長・教頭、教諭の8割以上が「国や教育委員会からの調査やアンケートへの対応」と回答。他に「保護者・地域からの要望、苦情への対応」も目立った。
経済協力開発機構(OECD)の2012~13年の調査によると、日本の中学教員の平均勤務時間は週53.9時間で、参加34カ国・地域の中で最も長かった。
文科省のガイドラインでは、パソコンを使って成績を一元管理したり、部活動の指導を外部に委託したりして、教諭らの負担を軽減した各地の取り組みを紹介。同省の担当者は「参考にして業務の効率化を進めてほしい」とする一方、調査やアンケートについては「今後、削減の検討を進めたい」としている。