山口組で分裂の動き 10組超、離脱し新組織か
全国最大の指定暴力団「山口組」(神戸市)傘下の10を超える2次団体が離脱の意向を示していることが27日、捜査関係者への取材で分かった。6代目の篠田建市(通称司忍)組長の出身母体の弘道会(名古屋市)を中心とする現体制への不満が背景にあるとみられる。
離脱する組が集まり新たな組織を結成する動きもあり、警察当局は山口組が分裂すれば双方が衝突しかねないとみて動向を注視している。
捜査関係者の話によると、離脱を検討しているのは渡辺芳則5代目組長(故人)の出身母体、山健組(神戸市)など関西の組織が中心とみられる。27日に神戸市灘区の山口組総本部で会合が開かれたが、複数の組の組長が欠席したとの情報がある。
山口組では2005年に5代目組長が引退し、ナンバー2の「若頭」だった篠田組長が6代目に就任した。現在の若頭も同じ弘道会出身者が就くなど同会の影響力は強く、こうした組織運営に対する一部2次団体の反発が強まっていたという。
警察庁によると、14年末時点の山口組の構成員は1万300人。準構成員らを含めると2万3400人で、全国の暴力団関係者の43.7%を占めている。