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復興支援者もケア 茨城・常総の水害で精神科医ら

関東・東北豪雨で大規模水害が起きた茨城県常総市では、筑波大(茨城県つくば市)の精神科医らが、被災者だけでなく市職員や支援に当たる学生、教職員らへのサポートにも乗り出している。仕事への意欲を失う「燃え尽き症候群」の予防法や、被災者の心を配慮した対応の仕方を伝える。

「一時期血圧の高い職員がとても目立った」。2015年9月10日の水害以降、市の人事担当者は職員の健康管理に頭を抱えてきた。同30日までの平均残業時間は1人当たり約139時間。今も復興に伴い新たに生じる事業で多忙な部署がある。職員の多くが自らも被災しているが、生活再建が進まない被災者から、やり場のない怒りをぶつけられがちだ。

東日本大震災の被災地では、発生から数年後にうつ病などを発症する職員が出た自治体もある。筑波大の精神科医らは、15年12月から常総市職員のストレスの度合いを測る検査を開始。今後、健康管理の助言をし、必要であれば早期に医療へつなげる態勢を整えた。

同月には、被災地支援に関心のある学生らを対象に、被災者への接し方の基本を学ぶ研修を実施した。参加した女子学生(21)は「被災した友人にどう話し掛けるか悩んでいたが、話を聞くだけでも力になれると知って良かった」と述べた。

市内の小学校に派遣されている臨床心理士の藤嶋淑子さんによると、水害を境に落ち着きをなくしたり、宿題の提出ができなくなったりした児童もいるという。こうした中で、高橋晶講師(災害精神支援学)らが中心となり、教職員を対象にした研修を常総市で開く予定。

高橋講師は「幼い頃に被災体験をした人は不安感が強いケースもあり、大人になって症状が出た例もある。周囲の大人が適切な対応を身につけることで子供の心が守られる」と説明する。

発生から4カ月近くなり、立ち直り始めている人もいるが、中心メンバーの太刀川弘和准教授(臨床精神医学)は「住宅の修繕や失職でストレスが悪化する人もいる」と指摘。中長期的なケアを目指している。〔共同〕

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