御嶽山が噴火、けが人複数か 噴流観測、入山を規制
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気象庁によると、27日午前11時53分ごろ、長野県と岐阜県にまたがる御嶽山(3067メートル)が噴火した。国土交通省中部地方整備局が設置しているカメラでは南側斜面を噴煙が流れ下り、3キロを超えるのを観測した。
気象庁は居住地域の近くまで影響を及ぼす噴火が発生すると予想している。山頂火口から4キロ程度の範囲で噴火に伴う大きな噴石の飛散などに警戒するよう注意を呼び掛けている。長野県側の消防によると、御嶽山の登山客から119番が相次いでおり、複数のけが人がいるもよう。御嶽山の複数の山小屋に、登山客が続々と避難してきているという。
気象庁は警戒レベルを平常の1から入山を規制する3に引き上げた。
御嶽山の9合目付近で山荘を経営する向井修一さん(50)は「雷のような音がして、噴煙で空が真っ暗になった。白い灰が地面に15センチも積もっている。頂上の方でも登山客が避難しているようだが、詳しいことは分からない」と動揺した様子だった。

岐阜県下呂市には午後0時40分ごろ、気象庁からファクスで噴火の一報が入り、職員が情報収集に追われた。担当者は「下呂市側は登山道近くに温泉もある。今後、影響が出ないか動きを注視したい」と話した。
御嶽山は1979年に水蒸気爆発を起こし二十数万トンの火山灰などを噴出。91年にも少量の火山灰を噴出する小規模噴火があった。2007年にも火山性地震が多発、気象庁が火山観測情報を出して警戒を呼び掛けた。〔共同〕
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