ドラム式洗濯機で死亡事故 横に扉、子供入りやすく
東京都で小学2年の男児(7)がドラム式洗濯乾燥機に閉じ込められて死亡した事故の波紋が広がっている。横向きのふたは洗濯物の出し入れに便利な一方で、子供が自分で中に入れる構造だ。海外でも事故が起きており、男児の母親は「防ぎようがあったのでは。早急に対策を取ってほしい」と訴えている。
「子供が洗濯機の中に入ってぐったりしている」。8日午前2時ごろ、男児を捜し続けていた母親が119番した。7日午後11時ごろ、寝室で「明日は学校だからね」と声を掛けると「おやすみなさい」と返事があった。約2時間後、部屋に行ったら男児はいなくなっていたという。
洗濯機は7日に届いたばかりで、男児はボタンに興味を示していたという。母親に返事した直後に中へ入ったとすると、閉じ込められていたのは約3時間。死因は窒息死とみられ、警視庁は「気密性が高く、声を上げても聞こえなかったのかもしれない」とみている。
ドラム式洗濯乾燥機はふたが横向きで、床からは50センチ前後。洗濯物を取り出しやすいのが特徴だが、起動中に洗濯物が引っかかるなどして開いてしまわないよう、内側からはふたを開閉できない設計となっている機種が多い。
乾燥機能を使った直後はドラム内が高温となり、中をのぞいてやけどをするなどの危険もあるため、各社は洗濯機本体に警告のシールを貼ったり、子供が操作できないようロック機能を設定したりしている。
ただ、カビ防止のためふたを開けたままにする家庭も多い。あるメーカーは「周知が徹底されているとは言えない。台なども近くには置かないようにお願いしているが、子供が持ってくれば防ぎきれない」と悩む。
海外でも類似の事故が発生しており、消費者庁は昨年8月、一般向けのメール配信サービスで事例を示すなどして注意喚起を続けていた。
ふたにゴムバンドをかけて子供が開けられないようにするといった生活の知恵も紹介しているが、担当者は「たとえ内側から開けられる仕組みでも、子供が操作できるとは限らない。どんな機種であっても中に入らせないことが一番だ」と話している。〔共同〕