木簡に「難波津の歌」全文 京都、完成形に近い平仮名で

2015/11/26 23:31
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京都市中京区で見つかった平安時代の邸宅跡とみられる遺構から、「難波津の歌」の全文を記した木簡(9世紀後半)が初めて出土し、京都市埋蔵文化財研究所が26日、発表した。

平仮名の完成形に近い字が多く、合同調査した京都産業大の吉野秋二准教授(日本古代史)は「和歌の歴史を考える上で非常に重要な発見。仮名の研究をする上で基準となる史料だ」と話し、平仮名の成立の解明につながる発見とみている。

木簡には2行あり、右側に歌、左側に散文を記した珍しい様式。散文の意味は不明だが、歌の注釈の可能性がある。

遺構はメーンストリートの朱雀大路に面しており、貴族や皇族が住んでいた可能性が高い。

木簡は井戸から見つかり、大きさは長さ34.5センチ、幅3.5センチで厚さ4ミリ。「難波津に咲くやこの花冬ごもり今は春べと咲くやこの花」は、仁徳天皇(5世紀)をたたえた歌で、平安時代の古今和歌集では、紀貫之が和歌を習う人が最初に学ぶ「歌の父母」と紹介している。手習いに用いた有名な歌で、赤外線スキャンにより全31字を確認、うち25字が判読できた。

漢字や平仮名に近いものなどさまざまで、「咲くやこの花冬ごもり」の部分は「左久也己能波奈不由己毛利」が「さくやこのはなふゆこもり」へと変遷した様子が分かる。

木簡は27日から12月13日まで、京都市考古資料館で展示される。〔共同〕

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