2018年1月24日(水)

精神指定医資格89人取り消し 厚労省処分
全国26病院で不正

2016/10/26 22:48
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 厚生労働省は26日、精神障害のある患者を強制入院させるかどうかを判定する国家資格「精神保健指定医」の取得で不正があったとして、医師89人の同資格を取り消すと発表した。昨年大量の不正取得が発覚した聖マリアンナ医科大病院(川崎市)を含め、全国の26病院の医師が不正を行っていた。精神保健指定医に絡む処分では過去最大。

 同日開かれた医道審議会の専門部会が取り消しを答申した。処分の発効は11月9日。89人の内訳は2009年1月~15年7月に不正に申請した指定医49人と、指導に携わった医師40人。これとは別に申請中の5人に不正が見つかり、4人は申請を却下し、1人は自ら取り下げた。

 不正を行った当時に所属していた医療機関で最も多かったのは京都府立医科大病院で、指定医が3人、指導医が5人の計8人の取り消しが決まった。愛知医科大病院と兵庫医科大病院はいずれも、指定医と指導医を合わせ7人が行政処分を受けることが決まるなど、大学病院での違反が目立った。

 聖マリアンナ医科大病院の複数の医師が、資格取得のために必要なリポートで、自分で診察や治療をしていない症例を取り上げていたことが発覚。指導医も含め23人の医師が取り消し処分を受けた。

 その後、厚労省は過去約5年間に3374人が提出した約3万件のリポートを調査した。不正の疑いがあり「聴聞」の対象になったのは98人。「問題がない」と判断されたり、自ら資格を返上したりした医師がいたため、実際の処分は89人になったという。

 返上した医師の中には、相模原市で7月に起きた障害者施設殺傷事件で逮捕された容疑者の措置入院の判断に関わった医師も含まれている。

 厚労省の発表を受け、精神科を持つ医療機関でつくる日本精神科病院協会は「試験そのものがすでに制度疲労を起こしている。口頭試験を導入し、指定医としての資質を判断すべきだ」などとする声明を出した。

 ▼精神保健指定医 精神保健福祉法に基づく国家資格。精神障害により他害や自害の恐れがある患者を強制的に入院させる「措置入院」や、家族の同意で入院させる「医療保護入院」の判断をする。2016年4月時点で1万4707人の医師が資格を持つ。取得には精神科医としての3年以上の実務経験に加え、指導医のもとで患者8例以上を診療したリポートの提出が必要。

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