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認知症徘徊、公費で保険料 電車事故で賠償 神奈川・大和市

認知症の高齢者が徘徊(はいかい)中に電車事故に遭い、鉄道会社から高額の損害賠償を請求される事案があったことから、神奈川県大和市は、高齢者を被保険者として公費で保険料を負担する制度を導入する。家族の不安を解消するのが狙いで、支払われる賠償金は最大3億円。市は、自治体によるこうした取り組みは全国初としている。

市議会は26日、約1年分の保険料として約320万円が計上された補正予算案を可決。市は保険を扱う業者を選定した上で、11月から制度を始める方針だ。

対象は、徘徊の恐れがある認知症高齢者の保護のために市や関係機関でつくる「はいかい高齢者等SOSネットワーク」の登録者。7月末現在で237人おり、登録者を被保険者として契約する。

自転車とぶつかって相手にけがを負わせたり、物を壊したりした場合の損害賠償にも対応。事故で登録者が死亡した場合や、けがをした際も保険金が支払われる。

認知症の高齢者を巡っては、愛知県大府市のJR駅構内で2007年、徘徊していた当時91歳の男性が電車にはねられ死亡した事故で、JR東海が約720万円の損害賠償を家族に求めて提訴。一、二審は家族に支払いを命じた。

最高裁は昨年3月、「家族だからといって監督義務があるわけではなく、介護の実態などを総合的に考慮し、賠償責任の有無を判断すべきだ」との初判断を示し、このケースでは家族に責任はないとしてJR東海の請求を棄却した。

ただ状況によっては賠償金を支払う可能性がある。大和市内には小田急線などの8つの駅と32カ所の踏切があり、市の担当者は「本人や家族の不安は大きい。この制度で少しでも安心してもらえれば」と話している。〔共同〕

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