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京大、iPSで軟骨作製 肘・膝など関節治療に道

京都大の妻木範行教授らは、人のiPS細胞から軟骨を作製することに成功した。軟骨は「ガラス軟骨」と呼ばれ、膝などの関節の骨を覆い衝撃を吸収する働きがある。投球のしすぎで起きる野球肘や走り込みによるサッカー膝など、関節の軟骨が損傷した場合の治療に応用できる。4年後にも臨床の開始を目指す。研究成果は27日に米科学誌ステムセル・リポーツ(電子版)に掲載される。

iPS細胞による患者の治療は昨秋に目の難病で実施された。パーキンソン病など治療が難しい患者を対象に臨床研究の計画が進められているが、今後は軟骨の損傷といった患者数が多い疾患でも応用が進みそうだ。

妻木教授らはiPS細胞を特定のたんぱく質を含んだ培地で育成。溶液の中で浮かしながら増やす浮遊培養という手法で育てたところ、約2カ月後に直径1~2ミリの「ガラス軟骨」という軟骨細胞の塊ができた。

安全性と品質を確認するため免疫の働きを弱めたマウスとネズミの体内に軟骨を移植したところ、3カ月たってもほかの細胞や腫瘍にならなかった。関節の軟骨には大きな力がかかるため、十分な強度を持つかも調べた。膝関節の軟骨を壊したミニブタに作製した軟骨の細胞を移植した結果、約1カ月にわたり、体重30キロ弱のミニブタでも移植した軟骨が定着して体重を支え続けられた。

腕や足の関節にある軟骨は、運動などで曲げたときになめらかに動く役割を持っている。繰り返し激しく動かす野球やサッカーなどのスポーツ選手は、軟骨の一部分が欠損して炎症を起こして関節機能に問題が起こり、日常生活でも支障が出るケースがある。

これまでの軟骨治療では、残っている正常な部分の軟骨を採取し、欠損した部分に移植する手法がある。ただ、移植した軟骨はうまく増えず品質も変わってしまうこともあり、効果の高い治療法が求められている。

iPS細胞から軟骨を作製すれば安定した移植用の軟骨が手に入り、移植後に増えやすく高い治療効果も期待できる。

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