2019年2月17日(日)

「立山かんじき」1000年の技、DVDに 最後の職人が引退決意

2015/2/26付
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北アルプスの麓、富山県立山町芦峅寺(あしくらじ)で約千年前から伝わるとされる「立山かんじき」。アルミ製などのスノーシューが普及した今でも、雪山の登山者には根強いファンがいる。だが、地元で最後の職人が引退を決めるなど伝統途絶の危機にあり、町は匠の技を残そうと、職人の技術を撮影したDVDを作成するなど懸命だ。

クロモジやマンサクなどの幹を曲げた円形の枠に、2本平行に縄を張った素朴なかんじき。枠に組み込まれた滑り止めの「ツメ」が特徴で、斜面でも滑らない。全長60センチほどのスノーシューに比べ20センチほど小さいため歩きやすいという。

富山市の登山用具店「スポーツのマンゾク」では30年以上前から販売しており、久保亮一店長は「金属製と違い岩にぶつけても変形しにくく、使い勝手のいい商品」と特長を話す。

後に第1次南極観測隊員となる地元・芦峅寺出身者が、1950年ごろの登山ブームを契機に東京や大阪の登山用具店に売り込んだことで、全国的に知名度が上がった。ただ、近年は高齢などを理由に職人が引退し、作り手は今、佐伯英之さん(73)1人になった。

佐伯さんも「75歳になったらもう作るのはやめる」と決意した。山麓から枠に使う木を切り出す作業が大変で、続けられる自信がないという。

伝統が途絶えることに危機感を抱いた町は2013年から過程を録画。昨年9月にDVD(約90分)を完成させて、県内の図書館や国立民族学博物館(大阪府吹田市)におくった。町の担当者は「このまま、ひっそりとなくなるのはあまりにも惜しい。DVDを見て興味を持った人がいれば後継に名乗りを上げてほしい」と訴えている。

〔共同〕

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