最古の国産SL引っ越し 京都の新博物館へ

2014年4月に閉館した交通科学博物館(大阪市港区)から、来年春開業する京都鉄道博物館(京都市下京区)へ向けて、現存する国産蒸気機関車(SL)としては最古の車両の引っ越し作業が26日未明にあった。
JR西日本によると、SLは1903年製造の230形で、旧国鉄高砂工場(兵庫県)などで活躍。62年に交通科学博物館(当時は交通科学館)の開館に伴い復元、保存された。2007年には、日本機械学会が機械遺産に指定している。
26日午前0時すぎ、交通科学博物館跡の保管場所からトレーラーの荷台に載せられ姿を現したSLは煙突を取り外した状態。鉄道ファンに見守られながら、黒光りする車体をゆっくり進ませた。
新博物館の本館に展示される12両のうち、国内初の時速300キロで営業運転した500系新幹線や大阪と北陸を結んだ特急「雷鳥」など11両は京都へ移設され、230形は最後の車両となった。
新博物館全体では建設予定地に現在ある梅小路蒸気機関車館が所蔵するSL20両などと合わせ、実物車両約50両が展示される予定になっている。〔共同〕