2019年2月19日(火)

広島土砂被災の八木地区 地質2層、急峻な山に

2014/8/28付
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広島市北部の大規模土砂災害で、被害が大きかった同市安佐南区八木地区の裏にある阿武山の急峻(きゅうしゅん)な地形が、土石流の威力を拡大させた可能性があることが専門家の話で分かった。同山は2層の地質からなり、斜面の傾斜がきつくなりやすい地層という。似た地層は中国地方によく見られるといい、専門家らは他の地域でも防災上の注意が必要としている。

産業技術総合研究所(東京)の斎藤真・シームレス地質情報研究グループ長によると、阿武山は下部が風化しやすい花こう岩、上部が硬い岩石でできている。下部の花こう岩は浸食が進みやすく、「長い年月をかけて山は切り立った形になり急傾斜ができた」という。

こうした地質は1億5000万~6000万年前の海洋側プレートの沈み込みと、7000万~9000万年前の花こう岩マグマの上昇を経て形成された。中国地方によく見られ、似たような地形は他地域にもある。

国土交通省国土技術政策総合研究所によると、勾配がきつい方が土石流の速度は上がり、家屋などの被害は大きくなる。同研究所は記録的な雨量などに加え、特有の地質・地形が被害を拡大させた可能性もあるとして調査を進めている。

今回の豪雨で大きな被害を受けた広島市では1999年6月の豪雨でも、土砂災害で多くの犠牲者が出た。市内の山地部の斜面の多くは花こう岩が風化した「まさ土」で覆われている。

政策研究大学院大の江頭進治・連携教授(土砂災害)は「岩盤の上に砂が載っている状態。大雨が降ると水が地面に浸透し、滑りやすくなる」といい、もろい山腹斜面を裏山に持つ場所や谷口まで宅地が広がる地域の危険性を改めて指摘する。

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