前福島知事らの調書公開 原発事故「官邸も状況分からず」

2014/12/25付
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政府は25日、東京電力福島第1原子力発電所事故を巡り、政府の事故調査・検証委員会が関係者から聞き取った調書のうち、当時の佐藤雄平福島県知事ら127人分を新たに公開した。公開は9月と11月に続き3回目。福島第1原発所長だった故吉田昌郎氏らを含め計202人分となった。

佐藤氏は2011年3月11日の事故後、政府が緊急事態宣言を出してからの現場の状況について「官邸の関係者に聞いても状況がよく分からなかった」と指摘。原子炉の燃料棒露出のおそれなどほとんどの情報は福島県内の東電の支店から得ていたとしたうえで「国から明確な連絡はない中で県民の安全を考え、原発から2キロ以内の住民の避難を大熊町、双葉町に要請した」と述べた。

同県川内村など自治体職員の調書も公開され、「(12日に)テレビで第1原発で爆発があったという報道があり、川内村として大丈夫なのかと恐怖に駆られるようになった」などの生々しい証言も明らかになった。

河相周夫内閣官房副長官補(当時)の調書では、米政府が首相官邸に再三、情報提供を求めた様子も判明した。3月13日、ルース駐日米大使(同)が枝野幸男官房長官(同)に電話で「官邸に米国の専門家が常時いられるようにしてほしい」と要請。日本側は即断せず「日米双方にフラストレーションがたまっている印象を受けた」とした。

安井正也原子力安全・保安院付(同)は2号機が危機に直面した3月15日、東電が現場から撤退した場合に壊滅的な被害が出ると意見した際、菅直人首相(同)が「そんなことは許さん」と激怒したと振り返った。その後、菅氏が周囲の官僚に「最後までやる気があるのか」と問い詰めたことも明かした。

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