規制当局・東電の認識の甘さ、改めて浮き彫りに 新調書公開

2015/9/25付
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政府は25日までに、東京電力福島第1原子力発電所事故を巡って政府の事故調査・検証委員会が聴取した新たな調書を公開した。経済産業省原子力安全・保安院の安全審査官(当時)は、事故2年前に重要施設が津波で水没する恐れを感じつつも強く対策を求めず、東電関係者の返答も「原子炉を止めることができるのか」と消極的だったなどと証言していた。

新たな調書は5人分で、公表は福島第1原発所長だった故・吉田昌郎氏らを含め計246人分となった。規制当局・東電の双方の津波に対する認識の甘さを改めて浮き彫りにした。

保安院の耐震安全審査室で安全審査官を務めた名倉繁樹氏は、2009年に東電から想定を上回る8メートルの津波の試算の説明を受けた。

この際、「ポンプはだめだなと思った」ため対策の検討を促したが「『予算を取ってでもやりなさい』とまでは言っていない」と振り返った。東電側も「土木学会の検討を待つ」などと答え、重要施設を屋内に入れるなどの対策に否定的だったという。

事故後に原子力規制委員会の委員を務めた島崎邦彦・地震予知連絡会会長(当時)は「10メートルを超えるような津波が福島県に来ることは、津波の専門家であれば常識的に分かるはずだった」と証言。政府や東電の対応が不十分だったとの認識を示していた。

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