2019年2月23日(土)

元レスラー こけ玉職人に 青森・奥入瀬で日々格闘

2016/7/30 11:50
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青森県十和田市の観光地、奥入瀬渓流の玄関口で「こけ玉」を制作・販売する起田高志さん(35)は、元プロレスラーだ。大きな体でコケを丸めて表現するのは、こけむした岩から草木が芽吹く「小さな奥入瀬」。挑戦の舞台をリングから地元の渓流に移し、日々格闘している。

十和田市出身の起田さんは大学と社会人チームでアメリカンフットボールに打ち込んだ後、元プロレスラーの佐々木健介さんのジムに入門。2008年にプロデビューした。

ジムがあった埼玉県吉川市に暮らすある日、偶然通り掛かった花屋で愛らしい観葉植物を発見した。植物の根をコケで包み、糸を巻いて丸めたこけ玉。「手のひらで楽しめる自然が気に入った」。厳しい練習が続く、下積み時代の心の癒やしになった。

11年、試合中にけがをして引退を決意。実家に戻ってこけ玉作りに没頭していた頃、奥入瀬渓流に関する新聞記事を目にした。約140種類のコケが生息する天然の宝庫と知り「運命的なもの」を感じた。

12年に「奥入瀬モスボール工房」を開き、観光客にこけ玉作りを教えるほか、台湾で出張講座も開催。「転職を知ったレスラー仲間には『あいつ、ラリアットで頭を打たれ過ぎたな』と思われているはず」と笑う。

盆栽は近年、海外でも人気が高まっている。「こけ玉を通じ、奥入瀬ファンを世界中につくりたい」と静かな闘志を燃やしている。〔共同〕

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