ネットで情報収集、子供は苦手 文科省が小5と中2を調査
子供はインターネットで複数のウェブページから必要な情報を探し出すのが苦手――。文部科学省が小5と中2を対象に初めて実施した「情報活用能力調査」からこんな傾向が浮かび上がった。ネットを安全に利用する知識にも不安が残る結果となり、文科省は「情報教育の授業の改善に生かしたい」としている。
24日公表の調査は、小5と中2の計約6700人を抽出し、2013年10月~14年1月に実施。児童生徒は事前に文字入力などを練習し、各ソフトの使い方の説明を聞いた上で、調査用のパソコンを操作した。
あらかじめ整理された情報を読み取る問題は正答率が高かったが、複数のページから目的に応じ情報を探し出す問題の正答率は低かった。
小5で最低の正答率(9%)は「CDケースをごみとして捨てる曜日を選ぶ問題」。収集日や分別方法、CDケースがリサイクルできるかどうかなどの情報が掲載されたページを、それぞれ探す必要があった。最低4つのページを参照すれば正解が分かるが、最後まで見られた児童は3割程度。途中で判断したり、短時間で読み飛ばしたりしていたという。
複数のページを探して熱中症の特徴などを答える中2の問題でも正答率は43%。これに対し、単独のページから情報を読み取る問題では小5、中2ともに正解率は6割超だった。
プレゼンテーションソフトでスライドを作成する問題の正答率は小5で33%、中2で39%と、情報の整理作業にも苦手な傾向が見られた。
不正請求メールを受信した際の誤った対応を複数選択する中2の問題では、5~6割が「返信する」「入金した上で手続きする」という正解を選べなかった。ブログの不適切な記述を複数選択する小5の問題では、「知人の写真の無断掲載」や「住所を尋ねる書き込み」を選んだのは5割以下だった。
一方、調査では児童生徒らを対象にアンケートも実施。情報収集のため学校でインターネットを利用する頻度を尋ねたところ、「ほとんど利用していない」や「全く利用したことがない」との回答が小5で33%、中2で42%に上った。ほぼ全ての学校に整備されているパソコンが活用されていない実態が判明した。