中3の共通英語テスト、検討開始 文科省専門家会議
文部科学省は24日、全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)などに関する専門家会議の初会合を開き、中学3年生全員を対象に新設する英語の学力テストについて検討を始めた。会議は今後、専門のワーキンググループ(作業部会)を設置し、出題内容や成績の評価方法などの具体的な検討を進める。
同省は今月、中学・高校向けの「生徒の英語力向上推進プラン」を発表。中3全員を対象に「読む・書く・聞く・話す」の4技能を測る共通テストを2019年度から複数年に1回実施する方針を打ち出した。
会議では委員から「話す力や書く力の測定はマンパワーが必要で、評価者の質の(確保の)問題もある」「他にも必要な科目があり、科目横断的な問題があってもいい」などの意見が出された。
一方、委員からは内申点の評価に全国学力テストの学校別結果を反映させる大阪府教育委員会の施策を巡り、「(テストの結果の)本来の目的以外の使い方は極力制限すべきだ」など、懸念する声が上がった。
文科省は7月1日に府教委の担当者から、具体的な活用方法や今年のテストでの不正行為の有無などについて報告を受ける予定であることを説明。来年度の学力テストの実施要領に何らかの対応策を盛り込む必要があるかどうかも専門家会議で検討する。
会議ではこのほか、学習指導要領改訂を見据えた全国学力テストの問題内容や、家庭の経済状況などと子供の成績の関連の分析調査などを検討事項とした。