2019年3月26日(火)

脚光浴びる戦艦武蔵 史料館など訪問者増、書籍も好調

2015/3/24付
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フィリピン中部シブヤン海で太平洋戦争中に沈んだ旧日本軍の戦艦武蔵とみられる船体が発見され、あらためて武蔵が脚光を浴びている。最後の艦長の墓や史料館を訪問する人が増え、関連書籍の売れ行きも好調。遺族や関係者は、こうしたブームが戦争体験を継承する契機になることを願っている。

武蔵は、同型艦の大和と並び現在に至るまで世界最大級の戦艦。全長263メートルで、射程が約41キロに及んだ46センチ主砲が搭載されていた。三菱重工業の長崎造船所(長崎市)で建造された。

武蔵の模型など約50点の資料が展示されている同造船所の史料館では来館者が増加。同造船所によると、1日平均15~20人だった一般見学者が、「武蔵発見」の報道後に増加傾向になり、60人以上だった日も。史料館ホームページの「戦艦武蔵コーナー」もアクセス数が急増しているという。

鳥取市の東善寺にある、武蔵の最後の艦長、猪口敏平中将の墓を訪れる人も相次ぐ。同市出身の猪口中将は砲術の専門家で、沈没する前、乗組員に退避を命じて自らは武蔵と運命を共にした。

金田隆生住職(59)によると、墓の存在はあまり知られておらず、海上自衛隊員や関係者が墓参するくらいだった。だが報道後、戦争を経験した高齢者を中心にお供え物を携えて墓参する人が多くなったという。金田住職は「戦争を語り継ぐきっかけにしたい」と話す。

2006年に亡くなった作家の吉村昭さんの代表作の一つ「戦艦武蔵」。新潮社(東京都)の広報宣伝部によると、3月1日から同18日までの新潮文庫の同書の出庫数が、既に2月分の10倍強を記録した。都内では在庫がなくなる書店も出ているという。

こうした動きに艦長の遺族は戦争体験の継承への願いを託す。猪口中将の四男で、東京都中野区に住む勇さん(76)は「墓参者が増えていることをうれしく思う」と話した上で「(武蔵に注目が集まることが)戦争や歴史を知り、学習するきっかけになってほしい」と祈っている。〔共同〕

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