名古屋城天守閣、木造復元へ 市議会が関連予算可決
名古屋市議会は23日の本会議で、名古屋城天守閣の木造復元に向けた約10億円の関連予算案を可決した。文化庁によると、戦後に鉄筋鉄骨コンクリートで再建された天守閣の木造復元は全国初。総事業費は505億円となる。2022年12月の完成を目指し、木造化が実現に向けて動き出す。

名古屋市は27年にリニア中央新幹線の開通を控えており、新たな観光の目玉としての期待は高い。河村たかし市長は本会議後、記者団に「(城運営の)民営化などで十分、収支はとれる。みんなで努力すれば、海外から観光客も大勢来る」と話した。
本会議では最大会派の自民と民進、公明、減税日本の賛成多数で可決した。共産と自民の一部議員が反対した。財源確保のため国と県から補助金を得て、市民税の5%減税を見直すことなどを条件とする付帯決議をつけた。
工程表によると、市は4月の市長選後、竹中工務店と契約を締結。石垣の一部を壊しながら詳細に調査するため、今年11月にも天守閣一帯は入場禁止となる見通し。文化庁の許可を得た上で現在の天守閣は19年9月に解体を始め、20年6月に復元工事に着手する。
505億円の事業費は市債で調達。償還は税収などに頼らず入場料収入のみでまかなう計画を立てる。