前川前次官、萩生田氏発言の新文書「ほぼ事実と思う」
学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設計画を巡り、文部科学省の前川喜平前次官が23日、日本記者クラブで記者会見した。前川氏は同省が20日に公表した、萩生田光一官房副長官の発言を記したとされる文書について「書かれている内容はほぼ事実だと思う」と述べた。

内閣府や首相官邸の文書への対応は、不誠実だと批判。「第三者性の高い組織での政策決定プロセスの検証もあってしかるべきだ」とし、安倍晋三首相に「先頭に立って説明責任を果たしてほしい」と訴えた。
萩生田氏の発言は文科省幹部との面会時のものとされ、文書には「総理は『平成30年(2018年)4月開学』とおしりを切っていた」などと記されていた。萩生田氏は発言内容を否定し、松野博一文科相も文書には「副長官の発言でない内容が含まれている」と説明している。
前川氏は文書について「在職中に見た記憶がない。(幹部より)下のレベルの職員で共有するため(の文書)だと思う」と指摘。発言者が全て萩生田氏ではない可能性があるとしたうえで「内容はほぼ事実ではないか。作成した職員が聞き違えることはあり得ない」と強調した。
萩生田氏の政策決定への関与については「推測の域」と断ったうえで「何らかの示唆か提案があった可能性は高いと思う」と発言。自身が出会い系バーに出入りしていたとの新聞報道に関しては記事が出る前、和泉洋人首相補佐官から連絡を求められたと明かし、「官邸の関与があったと思う」との見方を示した。