大学入試の新共通試験、20年度から 中教審答申
多面的評価で脱「知識偏重」めざす

2014/12/22付
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大学入試改革を議論している中央教育審議会(中教審)は22日、大学入試センター試験に代わり、知識の活用力をみる新共通試験を導入するよう下村博文文部科学相に答申した。現行の入試が知識偏重に陥っていると指摘。受験生の能力を多面的に評価する手法に抜本改革し、大学の個別試験も面接や小論文などによる選抜に変えることを求めた。

新共通試験は、現在の小学6年生が大学受験予定の2020年度から導入する。実現すれば、1979年の共通1次試験導入以来の大きな改革となる。

下村文科相は同日、「答申が『絵に描いた餅』にならないよう速やかに改革に取り組む」と述べた。

現行の大学入試は知識量を測る出題が多く、センター試験をはじめ「1点刻み」のテスト結果により合否を判断している。答申はこうした選考方法について「知識の暗記・再生に偏り、真の『学力』が十分に評価されていない」と指摘し、改革の必要性を強調した。

センター試験に代わって導入する新共通試験の「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」は、複数回実施し、結果はレベル別に示す。出題内容は、教科の枠組みを超えた「合教科・科目型」などを新たに設けるほか、記述式も採り入れ、思考力や判断力を評価する。

英語はこれまで「読む・聞く」に偏っていた出題が、日本人の英語力が伸び悩む要因となっているとの指摘を踏まえ、「書く・話す」を加えた4技能を評価する内容に変更。TOEFLなど外部の資格検定試験の活用を検討するとした。

現行の2次試験にあたる大学の個別試験も多面的、総合的な受験生の評価手法を求めた。

具体策として小論文や面接、集団討論、高校の調査書などを活用し、「人が人を選ぶ」試験への転換を促した。中教審委員の1人は「大学入試は、様々な観点から人材を評価する民間企業の採用手法に近づく」と説明する。

一方、大学全入時代を迎え、学力を審査しないアドミッション・オフィス(AO)入試などを導入する大学が増え、入学者の学力低下が近年、大きな課題となっている。

答申は対応策として、高校生が自らの学習到達度を確認するため、高校2、3年の各段階の学力を測る「高等学校基礎学力テスト(仮称)」を19年度から導入する考えを示した。

テスト結果は、受験時の調査書の資料として大学側に提出することも想定しているが、合否判定には直接利用しないよう求めた。

今回の答申が示した入試改革を実現するには、大学側は複雑な選抜方法を運用できる体制を整備し、高校側は年間複数のテストを生徒が受ける環境を整える必要がある。大学入学者選抜をめぐる文科省の有識者会議委員を務めた松本亮三・東海大教授は「高校と大学の負担増は避けられない。今後の専門家会議において丁寧な議論が求められる」と指摘している。

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