被災地の海水浴場、再開2割 地盤沈下・砂の流出深刻

2015/7/22付
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東日本大震災から5回目の夏を迎えた被災地の海水浴場に、にぎわいが戻らない。地盤沈下や津波による砂の流失が深刻で、震災後の再開は2割にとどまる。復旧した場所でも、客足が回復しない悩みを抱えている。

宮城県塩釜市の離島・桂島。晴れて気温が上がった19日、浦戸桂島海水浴場で約400人が水遊びを楽しんだ。海水浴ができるようになったのは昨年から。家族4人で来た同県名取市の会社員、渡辺裕介さん(37)は「震災後、太平洋側で泳ぐのは初めて。名取の近くにも海水浴場はあったが、閉鎖されたままなので桂島に来た」と話した。

名取市以外の被災地でも、海水浴場の復旧は進んでいない。観光協会などによると、震災前の2010年に岩手、宮城、福島の3県で65カ所の海水浴場があったが、この夏泳げるのは14カ所だ。

津波で砂浜の大半が流された岩手県山田町の浦の浜海水浴場は、来年夏の海開きを目指して砂を補充するが「予算の問題もあり、広さは震災前の半分ほどになる」(山田町)という。宮城県女川町の御前浜海水浴場は地盤が沈み、復活のめどが立っていない。

本格化する復興工事も影を落とす。13年に再開した宮城県東松島市の月浜海水浴場は、防潮堤工事が始まり「大型トラックが行き交い、客の安全確保が難しい」と市の担当者。駐車スペースもなく今夏は閉鎖を決めた。

福島県いわき市の勿来海水浴場は津波被害が比較的軽く、12年に再開した。だが昨年の客は1万6千人で震災前の18万2千人に遠く及ばない。福島県沿岸は一部で原発事故の避難区域も残り、県の担当者は「海遊びを楽しむにはまだまだ時間がかかる」と話す。〔共同〕

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