福島で震度5弱 津波注意報すべて解除
12人けが、仙台港で1.4メートル観測

2016/11/22 10:58 (2016/11/22 13:11更新)
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22日午前5時59分ごろ、福島県いわき市などで震度5弱を観測する地震が発生した。気象庁は福島、宮城両県に津波警報を発令し、仙台港で1.4メートル、福島県相馬市で90センチの津波を観測した。東日本大震災の余震で、同震災以降、国内で観測した津波としては最大。地震で東京電力福島第2原子力発電所3号機の使用済み核燃料プールの冷却設備が一時停止した。

気象庁によると、震源地は福島県沖で震源の深さは25キロ。地震の規模を示すマグニチュード(M)は7.4と推定される。同庁は記者会見で「今後1週間程度は最大震度5弱で津波を伴う地震が起きる可能性がある」と注意を呼びかけた。

東北から関東地方の広い範囲で津波を観測した。主な津波の高さは岩手県久慈港で80センチ、宮古市で40センチ、宮城県石巻市で80センチ、福島県いわき市で60センチ、茨城県大洗町で50センチ、千葉県勝浦市で30センチ、東京・八丈島で30センチなど。

東日本大震災の余震で津波警報が出たのは2012年12月7日以来。気象庁によると、今回の地震はプレート内部で地盤が引っ張られ、上下に断層がずれる「正断層型」で、津波が起こりやすい。同庁は「震源が比較的浅く、規模も大きかったため、広範囲で津波が起きた」と説明した。

福島県相馬市で警戒する消防団員(22日午前)=共同

福島県相馬市で警戒する消防団員(22日午前)=共同

同庁は地震発生直後に福島県に津波警報、青森、岩手、宮城、茨城各県などに津波注意報を発令。午前8時すぎに仙台港で1.4メートルの津波を観測したため、宮城県の注意報を警報に引き上げた。警報、注意報は午後1時までにすべて解除された。

青森、岩手、宮城、福島、茨城、千葉各県では、沿岸部の一部自治体の住民らに避難指示が出された。福島県によると、午前9時半時点で、いわき市や相馬市など3市3町で対象は6万3815人(2万4794世帯)。自主避難も含め3119人が避難した。岩手県によると午前8時15分時点の対象は久慈市と大槌町の6823人(3045世帯)で、214人が避難した。

5年前の東日本大震災の経験を教訓に、各地の自治体は相次いで公民館などに避難所を開設。早朝にもかかわらず、住民らは高台に駆け上がり、津波被害から逃れた。

総務省消防庁によると、宮城、福島、千葉、東京都内で計12人がけがをした。宮城県内の漁港では小型ボート計3隻が転覆。津波の影響とみられ、人が乗っていなかったかどうか海上保安部が確認を進めている。

強い地震で商品が散乱したコンビニエンスストアの店内(22日朝、福島県いわき市)=共同

強い地震で商品が散乱したコンビニエンスストアの店内(22日朝、福島県いわき市)=共同

政府は22日午前、首相官邸の危機管理センターに官邸対策室を設置し、初動対応にあたった。アルゼンチン訪問中の安倍晋三首相は内外記者会見で、被害状況を早急に把握するよう菅義偉官房長官に指示したと説明。「自治体とも緊密に連携し、政府一体となって安全確保を第一に災害への対応に全力で取り組む」と述べた。

石井啓一国土交通相は閣議後の記者会見で道路や港などのインフラについて「被害報告はない」と明らかにした。国交省は被災状況の情報収集のために職員を派遣。石井国交相は「被災の全容解明とともに安全確保のため地方自治体と連携し対応していきたい」と述べた。

JR東日本は地震の影響で東北、上越、北陸新幹線の一部区間で運転を見合わせた。約30分後に東北、上越新幹線は再開。JR在来線も東北線や仙石線、石巻線などが運休。首都圏発着の特急も常磐線などが一部運休した。

主な震度は以下の通り。震度5弱=福島県白河市、いわき市、楢葉町、双葉町、茨城県高萩市、栃木県大田原市▽震度4=福島市、仙台市、宮城県石巻市、秋田市、山形県米沢市、宇都宮市、水戸市、群馬県渋川市、埼玉県春日部市、千葉市、新潟県見附市など

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