2019年1月20日(日)

埼玉県警に批判高まる 熊谷6人殺害「情報届けば防げた」

2015/9/22 21:23
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埼玉県熊谷市の6人殺害事件では、事前に県警がペルー人の男と接触していたにもかかわらず事件が起きた。「不審者の情報が住民に届けば、防げた」との批判が高まっており、専門家は「市民への情報伝達を工夫すべきだ」と指摘する。

「本当にこれ以上被害者はいないのか。事件の全容がつかめない」。6人殺害が発覚した直後、捜査幹部には焦燥感がにじんだ。県警はそれから周辺住民の安否確認を進め、22日までに延べ2162人の捜査員を投入。「遺留物捜索や聞き込みを最優先するのがセオリー」(捜査員)とされる発生初期段階では、異例の対応だった。

批判が集まったのは事件直前の県警の対応だ。ナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン容疑者(30)=夫婦刺殺容疑で逮捕状=が13日午後3時半ごろに熊谷署を立ち去って以降、市内では同容疑者とみられる男に関する通報が相次ぎ、その後、14~16日にかけて6人の殺害事件が発覚した。

県警は田崎稔さん(55)夫婦の遺体発見翌日の15日、教育委員会に防災無線での呼び掛けを依頼。登下校時の警戒活動も実施した。ただ、県警が作成したナカダ容疑者の顔写真を載せた手配書は警察内部での配布にとどまり、住民は「不審者情報は耳に入らなかった」と口をそろえる。

県警は15日、別の住宅への住居侵入容疑でナカダ容疑者の逮捕状を取ったものの「殺人に関連する証拠は薄く、公開手配は難しかった」(捜査幹部)。田崎さん宅に外国語のような血文字があったことから、関与を疑う声も上がったが「容疑者とは言い切れなかった」と話す捜査員もいる。

捜査経験の長い他県警の幹部は「事件が連続発生する可能性をどこまで考えていたか。結果的には批判を受けても仕方ない」と話す。立正大の小宮信夫教授(犯罪学)は「住民への情報提供の方法と内容を再考すべきだ。情報を垂れ流すのではなく、市民が受け止めやすいように加工し、積極的に広報する仕組みが必要だ」と指摘した。〔共同〕

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