出生数 初の100万人割れ 16年98万人、自然減は10年連続
厚生労働省は22日、人口動態統計の年間推計を発表した。2016年に国内で生まれた日本人の赤ちゃんは過去最少の98万1千人(前年比約2万5千人減)で、統計を始めた1899年以降初めて100万人を割り込む見通しになった。
死亡数は戦後最多の129万6千人と推計。死亡数が出生数を上回る「自然減」も過去最多の31万5千人で、自然減は10年連続となった。
塩崎恭久厚労相は22日の記者会見で「出生数の動向は厳しい状況が続いている。子育て支援などに引き続き力を入れていく」と述べた。
日本の人口は05年に死亡数が出生数を上回り、自然減に転じた。06年は出生数が上回ったが、07年以降は自然減が続いている。
16年の死因の最多は、がんの37万4千人と推計。次いで心筋梗塞などの心疾患(19万3千人)、肺炎(11万4千人)、脳卒中などの脳血管疾患(10万7千人)となり、死因上位の4疾患は昨年と同じだった。死産は2万1千人と推計した。
婚姻件数は62万1千組で戦後最少を更新。婚姻件数は年間100万組を超えた1970年代前半をピークに、その後は一貫して減少傾向が続く。一方、離婚件数は21万7千組。02年に28万9836組で過去最多になって以降、減少傾向にある。
人口動態統計は、出生、死亡、婚姻、離婚、死産の5つについて戸籍法などに基づく市区町村への届け出を厚生労働省が毎月集計する。
調査した月の約2カ月後に公表する「速報」と約5カ月後の「概数」のほか、1~12月の1年分が翌年9月に「確定数」としてまとめられる。年間推計は10月までの速報と7月までの概数を基に、11~12月分を予測して算出する。