はしか 東南ア感染急増 専門家「2回予防接種を」

2014/7/28付
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東南アジアで麻疹(はしか)に感染し、帰国後に発症する事例が2014年に急増している。感染に気づかぬまま周囲の人にうつしてしまうこともある。はしかは特効薬はなく、脳炎や肺炎といった重い合併症を引き起こす恐れもある。夏休みに海外旅行に出かける人は多く、国立感染症研究所は「はしかの流行国に出かける計画のある人は予防接種を受けてほしい」と呼びかけている。

感染研によると、14年の国内のはしか患者数は7月13日までに412人で前年同期の2.6倍。はしかは10~12日の潜伏期間後に発症。最初の2~4日は38度の発熱や鼻水など風邪に似た症状があり、その後、39度以上の高熱とともに発疹が出る。肺炎や脳炎を併発することもある。感染力が強く、空気感染などでも広がる。

各地の地方衛生研究所と感染研が14年に発症した患者のうち288人から検出したウイルスを調べたところ、日本に従来ある遺伝子型ではなく、すべて海外で流行している遺伝子型だった。感染研感染症疫学センターの多屋馨子室長は「はしかが流行しているフィリピンやインドネシアなどで感染した人が帰国後に発症し、周囲に感染した」と分析する。

感染研によると、13年は発症者のうち19人が直近に海外(複数国含む)に渡航。14年は7月7日までの発症者のうち77人が海外に出かけていた。

例えば、名古屋市の団地で3~4月、4家族の男女計11人が発症した事例では、2~3月に母親とフィリピンに出かけた5歳、4歳、0歳の子供3人が現地で感染、帰国後に発症。同居する姉2人にうつり、さらに同じ団地の別の3家族計6人に感染した。

感染を防ぐには予防接種が有効だ。はしかの場合、1回の予防接種では約5%の人は抗体ができないといい、多屋室長は「接種は2回が必要」と指摘する。

国内では1978年に定期予防接種が始まったが、2回接種になったのは06年。感染研によると、90年4月1日以前に生まれた人は2回接種を受けていない公算が大きく、多屋室長は「母子健康手帳で接種歴を確認し、未接種や1回接種の人は2回まで受けてほしい」とし、渡航する3週間前までに接種するよう呼びかけている。

はしかの予防接種は定期接種以外は原則、自己負担。多くの医療機関で受け付けており、費用は医療機関によって異なるが6千円前後、風疹とはしかの混合ワクチンの場合はおおむね1万円以上かかる。

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