都知事選、主権者教育間に合わない 高校は夏休みに

2016/7/22 12:12
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東京都民にとって参院選に続く選挙になる都知事選(31日投開票)が、学校現場に波紋を広げている。新たに有権者となった18歳が在籍する高校の多くは夏休み入り前後の時期で、参院選の際は盛んだった模擬投票などの主権者教育は困難。主要候補の出馬表明や公約が出そろうのが遅かったことも、公約比較などの授業を難しくしたようだ。

「都知事選が告示された14日ごろは、期末試験が終わって夏休み前の短縮授業や特別授業が続く時期。時間を取るのが難しかった」

都立高島高校(板橋区)の大畑方人主任教諭は残念そうに話す。参院選前は生徒同士で安全保障や消費税など政治の問題を議論したり、実際の候補者の公約を比較して模擬投票をしたりと主権者教育を重ねた。

都知事選でも主要候補者の公約を比較する授業を検討した。だが、告示日直前まで候補者が固まらず、一部候補の公約公表は告示後にずれ込んだ。21日からは夏休み。大畑教諭は「これでは公正に候補者の公約を比較することができないと思い、諦めた」と話す。

都立武蔵高校(武蔵野市)では参院選前、若者の選挙への関心を高める方策や投票の意義などについて生徒が6時間かけて議論した。だが、都知事選前は期末試験の返却などと重なり、見送った。

高橋勝也教諭は「都知事選は参院選と異なり、より身近なリーダーを選ぶ。国の選挙とは違った見方ができると教えたかった」と肩を落とす。

都選挙管理委員会によると、選挙の公示・告示前に行われることが多い模擬投票に使う投票箱の貸し出しや出前授業の依頼は参院選前に100件以上あったが、都知事選前はゼロ。参院選投開票から都知事選告示まで中3日しかなく、夏休みも近かったことが影響したとみている。

都選管の担当者は「学校だけでなく、こちらも参院選の開票作業や都知事選の準備で忙しい。もし依頼があっても断っていた」と話す。

都知事選の投開票日に中国地方での全国高校総体(7月28日~8月20日)が重なり、出場する生徒に期日前投票を呼びかける学校もある。都教育委員会は部活動の中抜けを認めたり、早く切り上げたりと工夫するよう各校に促している。

参院選では新たに有権者になった18、19歳のうち、高校などで主権者教育を受ける機会が多かったとみられる18歳の方が投票率が高かった。川口英俊・十文字学園女子大学准教授(政治学)は「授業で主権者教育をできなくても、家庭での会話などの際も含め大人が選挙の話題を持ち出すことが大切だ」としている。

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