「菓子屋横丁」で火災 埼玉・川越、1人死亡・5棟全焼
21日正午すぎ、埼玉県川越市元町2の観光地として知られる「菓子屋横丁」で、菓子店「室岡製菓」から出火しているのをパトロール中の警察官が発見した。木造モルタル2階建ての店舗兼住宅と、隣接する4棟の計5棟が全焼、6棟が部分焼し、1人が死亡、4人がけがをした。
県警によると、死亡したのは同店社長の室岡登三男さん(90)。男女4人がのどの痛みを訴えるなどの軽傷を負った。室岡さんが当時、菓子作りをしていたとみられる1階部分の燃え方が激しいといい、県警が出火原因を調べている。
小江戸川越観光協会のホームページによると、菓子屋横丁では22軒の菓子屋や駄菓子屋が軒を連ねている。
「小江戸川越 菓子屋横丁会」会長の浜野友久さん(65)は、店の1階で倒れていた室岡さんを4人で外に運び出した。周囲では大勢の観光客がぼうぜんと見守っていたという。「足が少し不自由だった。亡くなったと聞いて悔しい。横丁のメーンの店でもあったので、これからどうなるのか」と疲れた表情。
近くで菓子店を営む阿部朝次郎さん(68)は「お菓子を揚げる鍋から火が上がっていた。途中で爆発音が上がり、目の前まで火が迫ってきた」と興奮した様子で話した。〔共同〕