太平洋でサンゴ白化の恐れ ラニーニャ予測で
米ハワイやミクロネシア連邦など太平洋の広い範囲で今年夏以降、サンゴの死滅につながる大規模な白化現象が起きる恐れがあるとする分析結果を、米海洋大気局(NOAA)が21日発表した。
太平洋の西側で海水温が高くなるラニーニャ現象が起きると予測。2014年以降にオーストラリアのグレートバリアリーフなどで大規模な白化が続いており、NOAAは「3年連続と観測史上で最も長く、広範囲に及ぶサンゴの白化現象が起きるのではないか」と懸念している。
サンゴの白化は、光合成を担う共生藻類の褐虫藻が逃げ出して白い骨格だけになってしまう現象。海水温上昇などのストレスが原因で地球温暖化も大きな要因とされる。
今年春までは太平洋の東側で海水温が高いエルニーニョ現象が続いていたが、夏からは西側が高くなるラニーニャ現象が高い確率で発生する。その結果、ハワイやパラオなど広域にわたってサンゴの白化が起きるとNOAAはみている。米国沿岸のメキシコ湾やカリブ海などでも影響が懸念される。〔共同〕