追い込み漁でイルカ84頭を販売 14年度に和歌山・太地町
和歌山県太地町のイルカの追い込み漁は、複数の船が海に入れた鉄管を金づちで叩き、イルカを湾内に追い込んで捕まえる手法。同町の漁は、批判的に取り上げた米映画「ザ・コーヴ」で注目された。
太地町漁業協同組合は数年前から捕獲を群れの一部にとどめるなど改善策を講じ、世界動物園水族館協会の要望で食用と展示用で漁を分けている。県によると2014年9月から15年4月の漁期では937頭を捕獲、うち84頭が水族館などに販売された。
関係者によると、中国などアジアの水族館では太地町のイルカを購入するケースもあるという。
欧米では繁殖させたイルカの展示が一般的だが、繁殖には人員やノウハウが必要で、中小規模の水族館にはハードルが高い。
4月にイルカが生まれた新江ノ島水族館(神奈川県藤沢市)では、飼育員や獣医師2人が24時間体制で母体を観察しながら出産に成功。ただ雌雄がそろわない場合も多く、繁殖だけで全施設が確保するのは難しい。